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立ち合いはしなくてOK?会社に行かずに社宅を退去する方法

近年では様々な理由から突然仕事に行けなくなり、そのまま退職する人もいるようです。
これについては賛否両論あると思いますが、身体を自分の意思に反して不当に拘束されない事は人間の基本的な権利であるとも言えます。

しかし、退職する人の中には社宅に住んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
基本的に、社宅は退職時には退去しなければなりません。
翌日から会社に行けなくなった場合、社宅はすぐに出ていかなくてはいけないのでしょうか?
今回は会社に行けなくなった場合の退職時の社宅の退去について解説します。

社宅の種類

ひとくちに「社宅」といっても大きく分けて3つのタイプがあります。

会社所有の社宅

1つは、元々会社が所有しているマンション・アパート(時には一戸建て)などの不動産を社員に直接貸し出すタイプのもので、賃料は毎月の給与から天引きされるという形を取ります。このタイプの社宅は、会社へ通勤しやすい場所に建てられている場合が多く、住人は全員、同じ会社の社員であることがほとんどです。社員寮と呼ばれる事もあります。

借り上げ社宅

もう1つは、会社が社員のかわりに不動産業者と賃貸契約をするタイプのもので、賃貸マンションやアパートの家賃の支払いは会社が毎月行い、そのうちの何割かを社員の給料から毎月天引きするという形を取るものです。
このような社宅は一般的に借り上げ社宅と呼ばれていて、一定の条件はあるものの、社員は自分自身で、ある程度自由に賃貸物件を選ぶことができます。

住宅手当の支給

社宅とは少し異なりますが、会社によっては福利厚生事業の一環として住宅手当を支給するところもあります。これは社員が自由に住居を選び、各個人が不動産業者と一般的な賃貸契約を結ぶものです。

出社できなくなったまま退職となった場合はどうなるの?


このように、安心感を得られたり経済的な負担を軽減することができたりと魅力も多い社宅制度ですが、もしも突然、あなたが明日から急に会社に行けず、そのまま退職することになった場合はどうすれば良いのでしょうか?

まず、住宅手当を支給されている場合については特に手続きは必要なく、もちろん退去する必要もありません。
会社所有の社宅の場合は、その住居は会社の所有物であることから退職の際には退去しなければいけなくなりますが、特に手続きは不要で退去するだけで良いという場合が多いです。退職日までには退去して欲しいという会社もあります。

それでは明日から会社に行けない場合、その日のうちにに退去しなければならないのでしょうか。
答えはNOです。
次の日から住居がなくなると、生活が脅かされる事になり入居者の権利が侵害される為、猶予期間のない即時退去の命令をされた場合は基本的に応じる必要はありません。

自己都合退職であれば退職日から数えて2週間から1ヶ月程度、退去のための猶予期間が置かれていることが多く、就業規則に記載してあることが多いです。
もし、社宅に関する規程がなかった場合も、合理的な猶予期間なくなされる即時退去には応じる必要がなく、会社の元従業員に対する賃料相当額の損害賠償請求についても認められる可能性は低いです。
即時退去を強要された場合にはお近くの労働局の総合労働相談コーナーに相談に行きましょう。

社宅の退去の流れ


それでは明日から会社に行けなくなってしまった場合の社宅の退去の流れについて見ていきましょう。
通常ではあらかじめ退職日が決まっているため、最終出社日までに総務部や人事部など、社宅の管理を行っている関係部署の担当者に鍵を返却したりといったやり取りをすることになりますが、突然出社できなくなりそのまま退職という場合は、これらのやり取りを主に郵送で行うことになります。

まず、社宅の退去日鍵の返却方法を書面に書いて退職届や返却物と共に郵送し、何日に退去するかを会社に知ってもらいましょう。
その後、社宅の退去日に鍵を閉めた後、鍵を会社に返却します。混乱を防ぐためにきちんと記録の残る形で会社に送るのがベストです。
なお、社宅退去には退去申請から1ヶ月程時間がかかることがあり、その間の費用は入居者の負担になることが多いので注意が必要です。

立ち合いをする義務はない

会社所有の社宅の場合には上司の方が立ち合いをする事もある為、立ち合いをしたくないという方も多いと思います。
しかし、立ち合いをしたくないという希望を出した時には「それは不可能」と言われてしまうかもしれません。
しかし、例え「立ち合いをしない事は不可能」と言われた場合でも立ち合いをしなければならない訳ではありません。

そもそも退去時の立ち合いというのは修繕費の計算がどのようにして行われるかを入居者に見てもらうためのものなので修繕費の計算自体を会社に一任し、一切文句を言わないという立場を取れば立ち合いの必要はなくなります。

そのため、社宅の退去時に立ち合いをしたくない場合にはしっかりと修繕費は会社に一任する事を伝えましょう。
修繕費については後日、請求が来るので支払を済ませましょう。
就業規則等、会社の規定に「修繕費は給与天引きにする」との記載があれば修繕費が天引きになる可能性もあります。
規定が無い場合、通常は労働者の同意がなければ給与天引きは出来ないので修繕費を給与天引きして欲しい場合には予めその旨も書類に書いて送りましょう。

借り上げ社宅の名義を変更して住み続ける場合の手続きは?

借り上げ社宅の退去の場合も基本的に流れは同じです。
しかし、会社所有の社宅と異なり、退去時のクリーニング費用の一部または全額を支払わなくてはならないこともあります。

借り上げ社宅の場合、家主や管理会社が認めれば退職後もそのまま住み続けることが可能となります。
家主に連絡を取り、住居の賃貸契約の名義を会社から入居者本人へと変更してもらうように頼みましょう。
この時、入居時に預けてある敷金は会社が支払ったものなので、名義変更にあたり入居者本人が負担しなければならなくなりますが、礼金や仲介手数料といった諸費用は不動産業者との交渉次第では支払わずに済む場合や、一部のみの負担で済むケースなどもあるようです。必要な書類を家主からもらって記入したり、不動産業者と交渉したりという手間さえクリアすれば、手続きそのものは何ら複雑なものではありません。

まとめ

会社に行けなくなってしまった場合の社宅の退去について見ていきました。
修繕費を会社に一任する旨を伝え、社宅の鍵を退去日に書留等でしっかり送付すれば誰とも会わずに社宅を退去する事が可能になります。
すぐに退職して会社に迷惑を掛ける為、弱腰になってしまう人もいるかと思いますが、すぐに退職する場合でも即日で出ていかなければならない訳ではなく、無茶な要求をされた場合にはきちんと書面で拒否する事や労働局に相談に行くことが大切です。

ライター:キタガワ

EXIT株式会社で一番最初の社員。大学卒業後、一生労働をしないで生きると決めていたが退職代行の仕事は天職である。労働組合でのボランティア経験あり。

◎EXIT ?退職代行サービス?とは?

EXIT株式会社が提供するサービスで、「辞めさせてもらえない」「会社と連絡を取りたくない」などの退職におけるさまざまな問題に合わせ、退職に関する連絡を代行してくれる。相談当日から即日対応が可能で、 会社との連絡は不要。離職票や源泉徴収票の発行確認など、退職後のフォローも行ってくれる。

退職代行サービス「EXIT」