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「重大な損害を与えうる行為」であるブラック研修を取り締まるべきである

新卒として会社に入社するとマナー研修など、ビジネススキルの向上を目的とした研修が行われることがほとんどです。
ですが、残念な事に日本の一部の会社ではブラック研修と呼ばれる人権侵害研修が行われています。

人権侵害であるブラック研修が日本から無くなる事を多くの方が望んでいるはずです。

しかし、残念ながら現在はブラック研修が厳しく取り締まられていないため、研修を受ける方は自ら身を守る必要があります。
詳しくはこちらの記事でも触れていますのでご覧ください。

それではブラック研修を取り締まる為にどのような対策が必要なのでしょうか?

今回はブラック研修を取り締まる為に大切な立法について、労働組合でボランティアをしている筆者が専門家の本を参考にしながら書いていきたいと思います。

心の脆弱性を利用したマインドコントロール


ブラック研修は確立されたマインドコントロールの手口が利用されていることが多いです。つまり、ブラック研修の問題は大きな枠で見るとマインドコントロールの問題となります。

マインドコントロールの問題に詳しい弁護士の紀藤正樹さんは著書「マインドコントロール」で以下のように語っています。

これまで日本では、もっぱら身体の安全を守る法的規制だけが注目されてきました。もちろんそれは重要ですが、その陰で外から見えにくく金銭に換算することも難しい心の問題が放置されていた、といわなければなりません。日本の法律には、フランスにあるような「無知・脆弱性不法利用罪」がなく、心の脆弱状態を利用する犯罪が追及されにくいのです

これはブラック研修についても言える事だと筆者は考えます。

ブラック研修で講師が暴力を振るうという事はほとんどないでしょうし、研修中の賃金が支払われていれば、労働者は金銭的な損害も被っていない事になります。

しかし、ブラック研修では立場が弱く、会社に入った経験もない新入社員をいきなり隔離された環境に連れていき、怒鳴りつけ、睡眠を取らせず、体を酷使させ、抵抗力を奪うのです。

これは心の脆弱性を利用した悪質な人権侵害以外の何ものでもないでしょう。

ブラック研修は「重大な損害を与えうる行為」


さらに紀藤正樹さんは「マインドコントロール」で以下のように語っています。

フランスでは国民的な議論を長く重ねたうえで、2001年に「無知・脆弱性不法利用罪」という犯罪を導入しました。「人権及び基本的自由を侵害するセクト的団体の防止および取締を強化する2001年6月12日の法律」がそれです。両院の提案者の名をとってアブー・ピカール法と通称されています。

さらに同法について以下のように記載しています。

同法は刑法に次の規定を加えました。
「未成年者に対して、若しくは年齢、病気、身体障碍、身体的欠如または妊娠状態のため、著しく脆弱な状態にあることが明白な者または行為者にそれが認識される者に対して、もしくは重大または反復した圧力行為または判断を歪めうる技術の結果、心理的または身体的服従状態にある者に対して、その者に重大な損害を与えうる行為または不作為に導くために、その者の無知または脆弱状態を不法に利用することは、3年の拘禁刑および37万5000ユーロの罰金に処せられる」

日本のブラック研修の参加者は上記の「年齢」的な問題で脆弱な状態にあると言えます。
まだ社会に出たことがなく、会社とはどのような場所なのかも分からない新卒の方達であることをブラック研修の「行為者」は認識しています。

その脆弱性を利用し、隔離された場所における研修において何度も怒鳴りつけるという行為は「反復した圧力行為」にあたるはずであり、研修者が自ら睡眠を取らないように仕向ける為、大量の宿題を出すという行為は「判断を歪めうる技術の効果」にあたるはずです。

ブラック研修によって精神的な疾患を抱え、退職した後も再度働けなくなった人や自殺した人がいる事を考えるとブラック研修は間違いなく「重大な損害を与えうる行為」でしょう。

この法律が日本にもあれば、ブラック研修は厳しく取り締まられることになるはずです。

しっかり取り締まってください


今回は主に、ブラック研修を取り締まる為に有効な海外の法律について見ていきました。

アブー・ピカール法のような法律は日本にはありません。しかし、ブラック研修は現行法の安全配慮義務違反や人格権の侵害にあたる可能性もあるので新しく立法が出来ないとしても取り締まられるべきです。

日本においてブラック研修を擁護する人は少なく、多くの人が「そんな研修をする会社が無くなって欲しい」と思っています。
実際にブラック研修はメディアによって取り上げられる度に問題視され、研修を実際に受けた方のSNSにおいても多くの批判を目にします。

日本には軍隊がなく、徴兵制もありません。
普通の会社に入ったはずのごく普通の新入社員が強制的に軍隊研修をやらされるという事が許される日本であってはいけないと思います。
令和の子供たちの将来にブラック研修という負の遺産を残さない為、私たちがブラック研修を無くさないといけないと思います。

ブラック研修をそのままにせずこちらの記事も参考にしながら対応をしてください。
ブラック研修の撲滅を目指したい方はこちらの団体もチェックしてみてください。

参考文献:
紀藤正樹, 2017, マインドコントロール, アスコム
西田公昭, 2019, なぜ、人は操られ支配されるのか, さくら舎
今野晴貴, 2012, ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪, 文藝春秋

ライター:キタガワ

1番最初のEXIT社員、労働組合でのボランティア活動を継続中。

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